任天堂スイッチ、累計販売1.2億台に ゲームボーイ超え

任天堂は7日、2017年3月に発売した家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の累計販売台数が22年末時点で1億2255万台に達したと発表した。販売台数は1989年発売の「ゲームボーイ」(1億1869万台)を超えて歴代3位になった。同社は引き続きスイッチを主力に据える方針で、歴代トップの販売台数を誇るソニーグループの「プレイステーション2」(00年発売)をも抜く可能性が出てきた。

 スイッチは半導体不足の影響でこれまで1年間の販売で最多だった20年度の2883万台からは落ち込んでいるものの、発売から6年がたっても2000万台近くを売り上げるのはゲーム市場では異例だ。

 任天堂で最も売れたゲーム機は04年に発売した「ニンテンドーDS」の1億5402万台。スイッチが今後も今のペースで売れた場合、ニンテンドーDSだけでなく、「プレイステーション2」の1億5500万台も超える可能性がある。

 スイッチがヒットした理由には遊び方の柔軟性がある。テレビなどにつなぐ据え置き型だけではなく、本体を取り外して携帯型としても遊べる。新型コロナウイルス禍による巣ごもり需要で幅広い消費者を引き寄せたほか、21年10月には鮮やかな発色が可能となる有機ELディスプレーを搭載したモデルを投入。消費者を飽きさせないこうした試みも買い替えや2台目の購入につながっているとみられる。

 人気ソフトの存在もスイッチの需要を下支えしている。17年4月発売の「マリオカート8 デラックス」と、20年3月発売の「あつまれ どうぶつの森」の2タイトルは販売本数としては異例の4000万本の大台を記録した。22年9月発売の「スプラトゥーン3」、11月発売の「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」の売れ行きも発売直後から好調だ。

 ゲーム業界に詳しい東洋証券の安田秀樹シニアアナリストは「スタイリッシュなデザインがユーザーの人気をつかんだ。スプラトゥーンなど人気ソフトとコラボした限定デザインも人気だ」と指摘する。

 一方で、ファンからは次世代機への期待が高まる。前世代機の「Wii U(ウィーユー)」発売からスイッチ発売までの間隔は約4年。「ニンテンドーDS」から「ニンテンドー3DS」への発売間隔は約6年だった。安田氏は次世代機の発売について「近年の据え置き型ゲーム機は7~8年で更新されている。古いままだと半導体など部品のコストが高くなり、発売はそんなに遠くないと思う。ただ、主要市場である米国での物価高や部品の高騰、円安などが影響して国内での販売価格を押し上げる可能性がある」と指摘する。
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