阿蘇山 活動活発化 噴火警戒レベル3に引き上げる可能性も

熊本県の阿蘇山は8日朝から、火山性微動の振幅が大きくなっていましたが、午後1時ごろに急激に小さくなったということです。
気象台は、さらに活動が活発化すれば、噴火警戒レベルを入山規制を示す「3」に引き上げる可能性があるとして、臨時の解説情報を出して今後の情報に注意を呼びかけています。

福岡管区気象台によりますと、8日午前6時30分ごろから阿蘇山の中岳第一火口付近では、地下の熱水やマグマの動きを示すとされる火山性微動の振幅が大きくなっていましたが、午後1時ごろ、急激に小さくなったということです。

この活動について、気象台は、マグマの通り道である「火道」が塞がって噴気の動きが鈍くなるのに伴い、振幅が急激に小さくなった可能性があるとしています。

阿蘇山の過去の活動では、振幅が小さくなったあと、再び大きくなるなどの増減を繰り返す『乱高下』が起きたのちに、噴火したケースがあるということです。

気象台によりますと、8日午後3時時点の振幅は、午後1時の時点に比べて緩やかに増大していて、福岡管区気象台はさらに火山活動が高まれば、噴火警戒レベルを現在の「2」から、入山規制を示す「3」に引き上げる可能性があるとして、臨時の解説情報を出して今後の情報に注意を呼びかけています。

気象台では、火口からおおむね1キロの範囲では、噴火に伴う大きな噴石や火砕流に警戒するよう呼びかけるとともに、風下では火山灰だけでなく、小さな噴石や火山ガスに注意するよう呼びかけています。

阿蘇山の研究や観測を続けている京都大学火山研究センターの大倉敬宏教授は「過去の阿蘇山の火山活動から、レベル『3』に引き上げる判定基準の1つとして、微動の急激な振幅の変動が挙げられるが、急激に下がったあと、現時点では急激に上がっているとは確認されていない。観測データを引き続き注視する必要がある」としています。

そのうえで「住民、観光などで訪れる人は、念のため、火口に近寄らないでほしい」と呼びかけています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kumamoto/20230208/5000018219.html

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