https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-02-09/RPU0A0T0G1KW01
暗号資産(仮想通貨)の下落ペースが9日の取引で勢いを増した。米証券取引委員会(SEC)による規制強化の兆候が表れ、リスク資産から資金を引き揚げる動きが広がり投資家心理を圧迫した。
ブルームバーグ集計データによれば、今週に入り2万3000ドルを上回って取引されていたビットコインは一時5.5%安の2万1704.78ドルと、昨年11月以降で最も大きく下げ、今年1月19日以来の安値を付けた。イーサは一時7.7%、 ドージコインとアバランチも少なくとも8%余り下落した。米最大の交換業者コインベース・グローバルの株価は14.1%安で取引を終えた。
暗号資産交換業者クラーケンのステーキング(暗号資産を保有しブロックチェーンのネットワークに参加することで報酬が得られる仕組み)サービスについて、証券の違法販売に当たるとSECが認定し、クラーケン側は民事制裁金を含む3000万ドル(約39億5000万円)の支払いに応じたと発表された。
クラーケンはステーキングサービス経由での「証券」の提供・販売を直ちに停止する。
SECのゲンスラー委員長は今回の措置について、「ステーキングのサービスプロバイダーが登録を義務付けられ、完全で公正かつ誠実な情報開示と投資家保護が要求されることを市場にはっきりと伝えるはずだ」と発表資料で説明した。
スワン・ビットコインのコーリー・クリプステン最高経営責任者(CEO)は「大多数の人々がステーキングサービスを利用しており、イーサリアムのようなプルーフ・オブ・ステーク(ブロックチェーンの分散型合意形成の仕組み)プロトコルへの影響が著しく大きいだろう」と指摘した。