中小企業の賃上げに「元凶大企業42社」初の実名公表、郵便局がワーストワンの衝撃

東京商工リサーチ(TSR)が7日公表した調査結果によると、価格転嫁と賃上げには相関関係があり、転嫁が進む企業ほど賃上げ率がアップするという。

■ない袖は振れない「価格転嫁が必要」

昨年12月に実施されたアンケート(2359社)の分析では、「0割転嫁」(価格転嫁ができていない)の企業の平均賃上げ率は2.1%なのに対し、
「5割転嫁」は2.7%、「全額転嫁」は3.9%だった。TSRは〈賃上げのためにも価格転嫁の重要性が高まっている〉としている。ない袖は振れないのだ。

中小企業の値上げ要請に大企業は十分、応えていない。中小企業庁は7日、初めて企業名を公表し、実態を明らかにした。

昨年9〜11月に中小企業15万社を対象にアンケートを実施し、回答を得た1万5000社のデータを分析。
中小企業10社以上が「主要な取引先」として挙げた大企業約150社について、値上げ要請への対応や、どれだけ価格転嫁に応じたかを点数化した。

このうち、コスト上昇分に対する価格転嫁割合について、平均「4割未満」しか応じなかった大企業は42社に上る(別表)。
日本を代表する企業ばかりだが、中小企業の賃上げにブレーキをかけている“元凶”と言える。

ワーストワンは「郵便局」
最もひどいのが日本郵便だ。ただ一社、「平均0割(価格据え置き)未満」の点数だった。
「費用が上昇している中、価格が減額された企業もありました」(中小企業庁・取引課の担当者)という。
持ち株会社の増田寛也日本郵政社長は会見で「深刻な問題が内在しているのではないか」と語ったが、民営化されたとはいえ、
公共性の高い「郵便局」のワーストワンは衝撃的だ。

「春闘が本格化するタイミングで公表した面もある。公表により大企業が価格転嫁に前向きになり中小企業の賃上げにつながってほしい」(前出の中小企業庁の担当者)

“汚名”公表は大企業を動かすか。
https://news.livedoor.com/article/detail/23684372/