戦争の真の「敵」教えられた=読書支援員・安田有香・60(京都府)

 「第68回青少年読書感想文全国コンクール」の入賞作品が、3日の本紙に掲載されました。
中でも、文部科学大臣賞(高等学校の部)の吉久萌花さんが選んだ、
逢坂冬馬・著「同志少女よ、敵を撃て」(早川書房)への感想文「戦わない選択肢」に感じ入りました。

 私は現在、小、中学校で図書室の運営を手伝っています。その一環で、中学生には「本屋大賞」受賞作を薦めてきました。
昨年の同賞は「同志少女よ」でしたが、2700万人もの死者を出した独ソ戦争を扱っており、残酷な場面も多くて推薦してきませんでした。

 吉久さんは「本書における“敵”とは、戦争が持つ“悪意”」と考察。
戦争の本質をあらわにし「これ以上彼ら彼女らの戦争で命が散ることのないように祈る」と結びます。

 私は「浅い読み」を反省しました。ロシアのウクライナ侵攻が続く今こそ、強く薦めたい1冊です。ありがとう、萌花さん。

https://mainichi.jp/articles/20230211/ddm/005/070/012000c