シリーズ「現場から、」です。乳製品の原料となる、搾ったばかりの生乳が一部の農家で廃棄されています。国内の6割近くの生乳を生産する北海道がいま、最悪の事態に直面しています。

北海道広尾町。酪農を営む、松枝靖孝さんです。180頭飼育できるはずの牛舎にいま150頭しかいません。

松枝牧場 松枝靖孝さん
「減産というのがわかったので、去年春先から30頭くらいをとう汰して…」

新型コロナの感染拡大による乳製品の消費低迷を受けて、北海道では今年度16年ぶりに生乳の生産を抑制しています。

余った生乳は、乳業メーカーが保存のきく脱脂粉乳にし調整していますが、昨年度、その在庫は過去最高の水準に。

年間2100トンの生乳を生産できる松枝さんの牧場でも、今年度の目標枠は500トン減。1日に1トン余り減らす必要があり、松枝さんは様々な対策を重ねてきました。年間の搾乳日数を減らし、搾らない「乾乳期間」を長くしました。

松枝牧場 松枝靖孝さん
「乳房炎になったり、死んじゃったり…」

乳量が減るよう餌の配合を変えたほか、牛を30頭ほど売りました。しかし、それも限界に。去年12月、苦渋の決断をします。

松枝牧場 松枝靖孝さん
「廃棄1.75トン、17万円くらい毎日です。すごく悲しいです」

減産で収入が減るなか、餌代の高騰などコストは1.5倍以上に。国の事業で3年前に建てた牛舎などの借金返済も重くのしかかります。
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松枝牧場 松枝靖孝さん
「主な収入源である牛乳が出荷できない。どこで収入を立てればいいのか…。借金を返すための借金をしないといけない」
https://news.yahoo.co.jp/articles/1ed8fc2f60d660b9e05abb6d5fa5ec573744dcfb
これを受けて、来年度、北海道産のおよそ..