https://news.yahoo.co.jp/articles/56231790b69bcd5412aea21657b671404f1c063a

不動産取引で損失が出たことに因縁をつけて、医療法人の理事長から3000万円を脅し取ったとして右翼団体トップの男と、会社役員の男が逮捕された。「右翼を総動員させる」などの脅し文句で恐喝していたとみられている。

「毎日、病院の前で街宣回す」
恐喝の疑いで逮捕されたのは、右翼団体「菊水国防連合」会長の田代厚容疑者(50)と、会社役員の村松昌人容疑者(51)。警視庁公安部によると、2人は、2021年6月7日、不動産売買で損失が出たことに因縁をつけて、知り合いの千葉県の医療法人理事長から、現金3000万円を脅し取った疑いがもたれている。

自称・有名コンサルタントの村松容疑者は、知り合いの理事長を連帯保証人として、都内のビルを売買したとのこと。この理事長は、村松容疑者の紹介で、右翼トップの田代容疑者とも面識はあったそうだ。ところが、このビルの取引で損失が出たという。

すると、田代容疑者が「損失が出ているから責任をとれ。こっちは1~2億円はもらっていいんだぞ。病院潰すのなんて簡単なんだぞ。毎日、病院の前で街宣回せばいいだけなんだから」と、理事長を脅したという。

「右翼を総動員させる」
「街宣回す」とは、右翼団体が、恐喝・脅迫などに用いる常套手段のこと。狙った会社・団体などの周りを、街宣車が、一日中、グルグルと走り回り、マイクを使って、大音量で、嫌がらせの文言を発し続ける訳だ。

やられた方にしてみれば、たまったものではない。しかも、ターゲットにされたのが、病人やケガ人を治療する病院となれば、そのダメージは計り知れないだろう。

さらに、田代容疑者だけではなく、村松容疑者も、理事長に迫ったという。「どうせ払わないなら右翼を総動員させる。お金以外、何もないですよ。3000(万円)なけりゃ無理。田代を怒らせて何やってんだ。支払わないととんでもないことになる。病院に街宣が来るよ。田代はやると言ったらやるよ」等々。

自宅に脅迫電話 家族にも危害の恐れ
村松容疑者自身は、右翼団体の構成員ではなかったが、右翼トップの田代容疑者の存在を”笠に着て”、大金を要求したことになる。田代容疑者自身が、このビル売買で、損失を被ったかどうかは分かっていない。

脅迫電話は自宅にかけられていた他、メッセージも残されていたという。被害者の理事長は、自分だけではなく、家族にも危害が加えられる恐れがあると思い、その日のうちに、現金3000万円を、村松容疑者の口座に振り込んだという。