イーロン・マスクの要求に応えるためTwitterのシステムアップデートが必要だが社員をクビにしすぎたせいで「死のスパイラル」に陥りつつある

実業家のイーロン・マスク氏はTwitterに就任してから、ツイートの最大文字数を延長しようとしたりユーザーに見せるタイムラインのアルゴリズムに手を加えたりと、Twitterというプラットフォームにさまざまな変更を加えようと試みています。しかし、CEOに就任してすぐに大量解雇を行ったことで、膨大な量のコード変更に対応できていないと報じられています。

Fast Companyの取材に応えたTwitterの元エンジニアであるメリッサ・イングル氏は、マスクCEOがTwitterのシステム障害が起こる度にコードを凍結しているのは、根本的な問題が特定されるまで先送りにしているだけだと批判しました。イングル氏は、マスクCEO就任後にTwitterアプリをリニューアルした時、一度に多くの変更を行ったために、直近の障害の原因を特定できておらず、その結果さらなる障害を呼んでいると指摘しています。

イングル氏は、「多くのチームで(不本意であろうとなかろうと)独自のノウハウを抱えていましたが、出荷された新しいコードについてはチームが人手不足で、従来のTwitterシステムに関する専門的なノウハウも著しく不足しているため、世界的にシステムが停止する可能性があります」と述べています。

マスクCEOが行っているコードの凍結は、システムへの影響を最小減に抑えるための安全策として考案された施策だとのこと。通常コードの凍結とは、エンジニアがプラットフォームで何がうまくいっていないのかを検討して修正するための時間を確保するためのやり方であり、単に問題を先送りするための方法ではありません。

イングル氏は「人手不足の中、どうにかして新機能を作り上げるという苦戦を強いられているようで、心が痛みます」と述べ、マスクCEOによって人員が削減され、新機能の迅速な開発を強制されることによって、Twitterというシステムに複数の脆弱(ぜいじゃく)性が生まれていると指摘。「私や他のエンジニアが大声で言っているのは、Twitterは死のスパイラルに陥っている可能性があることです」と述べました。

https://gigazine.net/news/20230213-musk-twitter-death-spiral/