https://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/981003/ppodp.html
Socket 8用Pentium II ODPがついに上陸!価格は約12万円
構造はまさにアップグレード用ゲタ
PentiumProユーザーに朗報だ。ようやくPentiumPro用のODP「Pentium II Over Drive Processor」がアキバに上陸し、約12万円で販売が始まった。これはSocket 8対応Pentium IIとも言えるもので、Socket 8用の「ゲタ」にPentium II用コアと2次キャッシュがそれぞれ載った構造になっている。
販売しているのはUSER'S SIDE槇町店。Pentium Pro 166MHz/200MHz(ベースクロック66MHz)用のODPで、ODPと換装すれば333MHzで動作する。価格は118,000円。4つある在庫のうち、すでに2つは売約済みとなっている。このODPは国内での発売予定がないため、入手は輸入に頼るしかなく、同店が入荷した製品もアメリカからの直輸入品。今後の再入荷については、リクエストの数次第で検討するそうだ。
●構造はほぼアップグレード用ゲタと同じ
実物を見てみると、これがなかなか凄い構造になっている。今までIntelからはCPUクーラー付きの外観写真しか公開されていなかったため、いったいどんな構造になっているのか、あるいはどんなパッケージになっているのか様々な憶測が飛び交っていたが、実物を手にしてCPUクーラーを取り外して見れば、なんのことはない単にアップグレード用の「ゲタ」に似た構造だった。Socket 8用のピン付き基板(ゲタ)の上にPentium II用のコアパッケージと、コアと同クロックで動作する512KBの2次キャッシュパッケージが実装され、その周辺には細かな電子部品も載っている。言い換えれば、Pentium IIの基板をSocket 8サイズに縮め、そのままSocket 8用のピンを出しただけのようにも見える。CeleronのようにCPUダイの中に2次キャッシュを統合しているというわけではない。
構造が構造なだけに、CPUクーラーも専用品になっている。外観は従来のPentium Pro用山洋電気製CPUクーラーと同一だが、大きさの異なる2つの半導体パッケージ(CPUコアと2次キャッシュ)を直接冷却する必要があるため、接着面がそれぞれのサイズに合わせて凹凸が作られている。
ODPの裏側(ピン側)にはプラスチックカバーがあり、ここに大きく「pentium II overdrive PROCESSOR」の文字が書かれている。このカバーはCPUクーラーの固定用パーツとして使われており、CPUクーラー上部からかぶせる固定用金具は、最終的にこのカバーの側面にある6つのの突起に引っ掛ける形になっている。つまり、ゲタをCPUクーラーとプラスチックカバーでサンドイッチ状態にしているわけだ。
●動くマザーボードは?
「Pentium II Over Drive Processor」という製品名から考えると、これはPentium IIへのアップグレード用製品ということになるが、実際にはCPUコアと同期して動作する2次キャッシュを搭載しているという意味で、さらに1クラス上のPentium II Xeonへのアップグレードと理解することもできる。価格的にも、Pentium II 333MHz相当というよりもPentium II Xeon 333MHz(512KB Cache)相当と考えた方が妥当なところ。
では実際にどの程度の性能がでるのか、ということになると、今はほとんど実績がないため実質的に未知数。そもそも、どのSocket 8マザーボードで動作するのか、BIOSのアップデートは必要ないのかなど、確実な動作環境がはっきりしていない。サーバーのアップグレードはもちろん、個人で早くからPentiumProを使っていた人などには、数少ないアップグレード手段として飛びつきたいところだろうが、どうやらそれには少々「冒険」が必要らしい。どうしても使ってみたいという人は、まずはいろいろと情報を集めることからはじめよう。