戦時中に道内出身画家が戦地で描いたスケッチや油絵の展示会
戦時中に北海道出身の画家などが戦地の状況などを描いた作品の展示会が、札幌市の道立近代美術館で開かれています。
展示会では、日中戦争から太平洋戦争にかけて戦地へと送られた北海道出身の従軍画家などが描いた油絵やスケッチなど47点の作品が展示されています。
これらの作品は満州や千島列島の戦地の状況を記録したり、北海道出身者の部隊を鼓舞したりするために描かれたということで、
このうち、札幌市出身の菊地精二さんが1945年に描いた「北鎮」という油絵では、千島列島の厳しい冬のなか、
高台から敵が攻めてこないか監視する兵士の姿が描かれています。
また、旭川市出身の高橋北修さんが1943年に描いた「航空兵の洗濯」というスケッチの作品では、戦地で兵士が衣服を洗濯する日常の様子が描かれています。
展示会を訪れた50代の男性は「見たことがないテーマの作品ばかりでした。
日常の様子の中にも戦争の悲惨さを伝えようとしたのかなと感じました」と話していました。
学芸員の田中駿一朗さんは「戦時中に美術にもいろいろな規制がされる中、画家たちが描くことをやめず伝えようとした戦地の状況を感じてほしい」と話していました。
この展示会は、札幌市中央区にある道立近代美術館で休館日を除いて4月9日まで開かれています。
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20230217/7000055278.html