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特殊詐欺被害、前年の2倍超 新潟県内、5億2459万円に
昨年1年間に新潟県内で確認された特殊詐欺の被害（暫定値）は194件で5億2459万円だった。前年より78件増え、被害額は2億9951万円増の2・3倍に上った。有料サイトの利用料があるなどとだます架空料金請求詐欺と、身内などをかたるオレオレ詐欺で被害額全体の8割を占めた。県警のまとめでわかった。
県内の被害額は2013年に9億4132万円と、04年に統計を取り始めてから最多を記録。以降は減少傾向が続き、21年は2億2508万円だった。
昨年で被害額が最も大きかったのは、架空料金請求詐欺の2億6503万円（前年比9648万円増）。被害件数は61件（同3件減）だった。
次いで、オレオレ詐欺が1億5597万円（同1億3313万円増）、53件（同33件増）▽医療費などが戻ると偽りATMを操作させて振り込ませる還付金詐欺が6062万円（同5212万円増）、64件（同53件増）▽うその融資を持ちかけ保証金を払わせる融資保証金詐欺が3028万円（同2631万円増）、6件（同5件増）――の順だった。これら三つの手口はいずれも前年からの増加が目立った。
県警によると、このうちオレオレ詐欺では、「医師」や「JR社員」からの電話の後に息子を名乗る人物が登場するパターンがよく見られるという。還付金詐欺では、午後3時以降に電話がかかってくるケースが多く、64件中43件と7割近かった。金融機関の窓口の営業が終わってからATMに誘導することで、発覚しにくくする狙いがあるという。
全194件のうち、7割超の144件の被害者が65歳以上で、約7割の136件が固定電話で電話を受けていた。脇屋栄・安全安心推進室長は、不審な電話に出ないで済むよう自動通話録音機や留守番電話機能の活用を勧める。電話を取った場合には、「お金に関わる内容ならすぐに切って家族や警察に相談してほしい」と呼びかける。
昨年1年間に新潟県警が認知（把握）した刑法犯は7433件で前年より313件減り、8年続けて戦後最少を更新した。減少は20年連続となった。
県警によると、4800件と全体の6割超を占めた窃盗が前年から336件減少し、全体を押し下げた。「重要犯罪」は2件減の89件。6罪種のうち殺人（6件）、強盗（5件）、強制性交（13件）、略取誘拐（4件）で減少する一方、放火（18件）が10件増え、全体では微減にとどまった。強制わいせつ（43件）は増減がなかった。
刑法犯の件数は全国的にも2002年をピークに減少を続けてきたが、昨年は20年ぶりに増加に転じた。特に自転車盗などの街頭犯罪で増加が目立っており、新型コロナウイルスの感染状況の変化に伴い人出が戻ってきた影響が指摘されている。
特殊詐欺に遭わないために
◆面識のない人からの電話でお金の話が出たら、すぐ電話を切って家族や警察に相談する
◆警察や役所、金融機関、百貨店を名乗る電話はいったん切り、それぞれの代表番号に電話して事実関係を確認する
◆電子マネーで支払いを求める身に覚えのない請求には決して応じず、家族や警察に相談する
◆自動通話録音機や迷惑電話防止機能付きの機器、留守番電話の機能を活用し、不審な電話に出たり折り返したりしない
◆ATMで還付金を受け取れることはないと知っておく
◆別居の子や孫と日頃から連絡を取っておく
