約77万4千~12万9千年前の地質年代区分「チバニアン(千葉時代)」の命名のきっかけになった千葉県市原市の地層そばに建設する施設について、市は19日、市民シンポジウムを開いた。日本地質学会の岡田誠会長や小出譲治市長と並んで、基本設計を担った世界的な建築家・隈研吾氏が登壇し、約570人を前に研究・教育・観光の拠点になる建物の概要と設計に込めた思いを説明した。

「(仮称)チバニアンガイダンス施設」は、現地にあるビジターセンター付近に整備する。歩いて10分ほどの養老川沿いに露出した地層で、約77万年前に地球のN極とS極が逆転した痕跡が観察できる。地球が持つ固有の地場「地磁気」が何度も逆転を繰り返し、最後に逆転したことが地球上で最もよくわかるという。

 開館は2026年度の予定。市は当初試算で遊歩道の整備なども含めて15億円を見積もるが、資材高騰などで費用はかさむ見込みだ。外観は自然に溶け込む丘の一部のようなデザイン。道と屋上が緩いスロープでつながる「ジオルーフ」を取り入れた。次のパリ五輪の主要動線となる鉄道新駅の設計でも採用した造りだ。

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