「1台3000円」は適切か 侍ジャパン宮崎合宿で近隣住民が臨時駐車場を開設「今回は近所と値段を揃えた」

第5回WBCに臨む侍ジャパンの宮崎合宿が、折り返しを迎えた。宮崎には多くのファンが訪れているが、来場客を見込んだ“私有地駐車場”が現地でちょっとした話題となっている。

イチローや松坂大輔らが参加した2009年の宮崎合宿では市街地から会場となるひなた宮崎県総合運動公園を結ぶ国道バイパスが大渋滞し、通常30分程度の道が駐車場にとめるまで1時間以上も要するほどだった。
今回は大谷翔平(エンゼルス)こそ不参加となったものの、6年約142億の大型契約をパドレスと結んだばかりのダルビッシュ有や、村上宗隆(東京ヤクルト)、佐々木朗希(千葉ロッテ)ら若き侍が集まって盛り上がりをみせている。
それでも現地は14年前のような交通の混乱がなく、合宿を実施するNPBエンタープライズと宮崎県の観光推進課スポーツランドみやざき推進室の渋滞緩和策が功を奏したかたちだ。

練習日の来場客を1万8000人に限定して無料の入場整理券を事前に販売し、一方で自家用車で来場する人のための駐車整理券も3300円で販売(ローソンチケットの手数料330円も別途)。その結果、シャトルバスやJRを利用して来場するファンが増えたのである。

 しかし、せっかくプレミアチケットをゲットしたとしても、計3630円の駐車代金は高額で、近隣の臨時駐車場にとめてそこからシャトルバスを利用するとどうしても手間と時間がかかってしまう(臨時駐車場を利用するのも有料で、加えてシャトルバスも大人は往復で400~1000円かかる)。

 そうしたなか、WBCの盛り上がりに便乗する形で会場のひなた宮崎県総合運動公園近隣の地元民が生み出したのが私有地の“駐車場商法”だ。

市街地からサンマリンスタジアム宮崎へ向かうバイパスを降りようとすると、左側に細道が走っている。合宿がスタートした2月17日から、その側道沿いに建つ民家や空き地には「1台3000円」と書かれたダンボールを手にした地元民が立っていた。

 最大15台をとめられる土地の所有者である40代男性が語る。

「総合運動公園内の駐車場料金は普段は500円なんですが、今回の合宿期間中は3630円もかかってしまう。確かに私たちが設定した3000円の駐車料金も高額ですが、公園内の駐車料金を説明すると皆さん納得してご利用いただけますね。この通りの一帯は最大30台をとめられる駐車場もありますし、車2台ほどのスペースの庭でも解放しているお宅もあります。今回はみなさんと相談して3000円に統一し、ちょっと球場から離れたところだと2000円に設定されているようです。公園内の駐車場にとめるために整理券が必要なことを知らなかった方にご利用いただいたこともありますし、駐車整理券を持っていても出入りの混雑を嫌ってうちにとめてくださる方もいました」

 長嶋茂雄政権下の頃から巨人キャンプの時期は所有する空き地を駐車場として開放し、2009年以来続いてきたWBC合宿時にも全国から集まる野球ファンを受け入れてきた。

「2009年のときは1台1000円に料金設定したところ15分で埋まり、練習試合の日は2000円に設定したところ30分で埋まり、翌日の2戦目の日に3000円に値上げしても40分でいっぱいになりました。通常のキャンプ時は1000円でとめてもらっていますから、そのときは近隣からめちゃくちゃ批判されました(笑)」(同前)

 白タク行為が禁止されているタクシー業務とは異なり、普段は空き地の土地を駐車場にしたり、民家のスペースを解放して有料で駐車してもらうことには原則として届け出などは必要ない。

「毎日何台もの警察車両が目の前を通っていきますが、一度も注意を受けたことはありませんし、県から何かしら指導が入ったこともありません」(同前)

 こうした便乗商法が生まれ、野球ファンに受け入れられているのも、2009年以来となる世界一に臨む侍ジャパンが盛り上がりをみせている証拠だろう。

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