[モスクワ 21日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は21日に演説し、ウクライナ紛争の平和的な解決を望んでいるものの、西側諸国が裏で「異なるシナリオ」を用意していたと表明した。

「われわれはこの問題を平和的に解決するため可能なあらゆることをして、この困難な紛争から抜け出す平和的方法を交渉していたが、背後では非常に異なるシナリオが準備されていた」と述べた。

ウクライナ紛争を始めたのは西側だと非難し、米国を筆頭に西側諸国は世界において「無限の力」を求めていると述べた。
西側諸国が紛争をロシアとの世界的な対立に発展させようとしており、ロシアの存立が危ぶまれているとの認識も示した。

「彼らは地域の紛争を世界的な対立に変えるつもりだ。われわれはこのように理解しており、それに基づいて対応するだろう」と語った。

また、前例のない制裁によってロシア経済を破滅させようとする西側の試みにロシアが対抗しているとし、西側にとっては数兆ドルもの金がかかっているが、ロシアの所得フローは枯渇していないと述べた。

プーチン氏はウクライナでの戦争を継続する意向を表明。米国を中心とする北大西洋条約機構(NATO)が、世界対立でロシアを打ち負かせるという誤った信念を抱いて、紛争をあおっていると主張した。

「直面する課題を慎重に一貫して解決していく」と発言。

ロシアは戦争を回避するため全力を尽くしたが、西側の支援を受けたウクライナが、ロシアの支配するクリミア半島の攻撃を計画していたと述べた。

西側諸国が世界各地で混乱と戦争を引き起こしているとも主張。「ウクライナ人は、事実上、この国を政治的・軍事的・経済的に占拠しているキーウの体制と西側の大領主の人質になっている」との認識を示した。

ロシアを打ち負かすことは不可能だとも発言。社会を分断しようとする西側の試みにロシアが屈することはないとし、大多数のロシア人が戦争を支持していると語った。
戦死者の遺族に特別資金を支給する方針も示した。

https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-putin-donbas-idJPKBN2UV0M0