インド、ロシア産石油輸入が10倍に 欧米が制裁科すなかで買い支え

ウクライナに侵攻を続けるロシアとの貿易を、インドが活発化させている。欧米などはロシア産石油の取引などに制裁を科しているが、インドなどが買い支えている構図だ。

 インド商工省によると、2021年4~12月に約65億8千万ドル(約8875億円)だったロシアからの輸入額は、22年の同じ期間でほぼ5倍の約328億ドルに急増。特に石油関連の輸入額は約10倍になった。

 インドは通常より安価で購入しているといい、ジャイシャンカル外相は昨年12月、議会で「国民の利益のため、最も良い取引ができるところにいくのは賢明な政策だ」と述べた。

 インドは、旧ソ連時代からロシアとの関係が深く、現在も主要兵器の約半分を頼る。隣国のパキスタンや中国との国境対立も続いており、安全保障面でも一定の軍事力を持つロシアの存在は大きい。

 このため、ウクライナに侵攻したロシアを非難する国連決議をたびたび棄権。欧米が主導する対ロシア制裁にも参加していない。

 モディ首相は昨年9月にロシアのプーチン大統領と会談した際、ウクライナへの侵攻を念頭に「今は戦争の時代ではない」と苦言を呈した一方、「我々は何十年も常に一緒にいるような友人であり、この関係を優先している」とも強調した。

 来月1、2日には欧米やロシア、中国、日本など主要20カ国・地域(G20)の外相会議がインドのニューデリーで開かれ、議長国としての立ち位置が注目されている。

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