西村康稔経済産業相は21日に開かれた衆院予算委の分科会で、三菱重工業が国産初のジェット旅客機「スペースジェット」(SJ、旧MRJ)の開発を断念した原因を問われ、「安全性に関する規制当局の認証プロセスにおけるノウハウの不足」「エンジン等の主要な装備品を海外サプライヤーに依存することでの交渉力の低下」「市場の動向に関する見通しの不足」――の3点を挙げた。

同社は2008年に開発に着手した。しかし、その後は難航し、機体の納入をたびたび延期。結局、設計の安全性を担保する「型式証明」は取得できなかった。経産省も開発・設計などに約500億円の税金を投じるなど支援してきた。

 答弁に立った西村氏は「極めて残念であり、重く受け止めている」と述べて開発中止の原因を列挙した。一方、成果について「3900時間超の飛行実験を実施するなど、機体開発は一定の水準まで到達している」と強調し、「得られた成果を十分に検証した上で、この経験を今後の航空機産業の発展につなげていくことが重要だ」と訴えた。

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