シャンシャン中国へ返還 経済効果は600億円でWBC超え
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3月に開催されるWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で、日本代表が優勝した場合の国内の経済効果は、約596億円にのぼるとの試算が21日、発表されました。一方、上野動物園のジャイアントパンダ「シャンシャン」の経済効果は、WBC優勝を超える600億円以上と推定されています。その、シャンシャンは21日に中国に返還されましたが関連商戦は今後も続いていきそうです。


21日、午前7時前。ジャイアントパンダのシャンシャンを乗せたトラックが上野動物園を出発。沿道には別れを惜しむ多くのファンの姿がありました。シャンシャンは5年8カ月過ごした日本を離れ、パンダの保全や繁殖のため中国へ返還されました。

2017年6月、シンシンから生まれた小さな小さな赤ちゃんパンダ。上野動物園で初めて自然繁殖で順調に成長したパンダとなりました。一般公開されると申し込みが殺到。倍率が最大144倍となる日もありました。

その後もすくすくと成長したシャンシャン。時には勢い余ってお母さんパンダにひざカックン。「パンダ史上最も美しいひざカックン」として話題になりました。最終観覧日となった2月19日にはおよそ2600人が来場。中には涙を流す人もいました。

返還先である中国外務省の汪文斌報道官は「シャンシャンは中日両国民の友好を深めるため特別な貢献をしてきた。日本の皆さんの名残惜しい気持ちはよく分かる。日本の皆さんが中国に来て、シャンシャンとその仲間たちを訪問することも歓迎する」と話しました。

日本中で巻き起こったシャンシャンフィーバー。今も関連商戦が盛り上がりを見せています。上野動物園にほど近い松坂屋上野店ではシャンシャンに感謝を伝えるイベント「ダイスキ シャンシャン!」が今月28日まで開かれています。全館挙げて大規模なイベントを展開して、スイーツやぬいぐるみなどおよそ400種類の関連グッズを販売しています。

「シャンシャンがいるから上野の街に来て、上野の街に来たから松坂屋に来るという流れがこの5年間できていた」(松坂屋上野店の山口華子さん)

このイベントの効果で、去年の同じ時期に比べて来店客が約4割増加。売り上げも約3割伸びたといいます。

一方、上野駅構内の書店をのぞいてみると光文社が発売した「女性自身」ならぬ「シャンシャン自身」が並んでいました。約800枚の写真を収録していて、早くも品切れとなっている通販サイトもあるようです。

シャンシャンが生まれてからこれまでの経済効果について、関西大学の宮本勝浩名誉教授は「600億~650億円の経済効果があっただろうと推察している。第5回のWBCで侍ジャパンが優勝した場合には、約596億円の経済効果があるということを算出した。侍ジャパンは約30人。それと比べるとシャンシャンはたった1頭で日本全体、東京に大きな経済効果をもたらしたということが分かる」と話します。

シャンシャンは返還されましたが、今後もシャンシャンの誕生日に合わせたイベントの開催を企画している企業もあるということで、シャンシャンの関連商戦はまだまだ続きそうです。