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米軍三沢基地戦闘機のタンク投棄、東北防衛局長が知事に経緯説明

米軍三沢基地(青森県三沢市)所属のF16戦闘機が青森県沖の太平洋に燃料タンクを投棄した問題で、防衛省の市川道夫東北防衛局長が20日、県庁で三村申吾知事に経緯を説明した。

 市川局長によると、15日午後4時20分ごろ、訓練中の戦闘機1機が飛行中に緊急事態に陥り、燃料タンク2個を太平洋上の領海の外に投棄した。戦闘機は午後4時35分、米軍三沢基地に着陸し、人的被害はなかったという。

 防衛省が米軍から連絡を受けたのは翌16日午後。だが米軍からは、領海外での発生を理由に、日米合同委員会の合意(在日米軍の事故発生時の通報手続き)には該当しないと説明があったという。市川局長は「漁業関係者や基地周辺の方々の安全安心を考えれば、速やかに情報提供がされるべきだ。その点は米軍側に要請したい」と述べた。

 三村知事は、同省から県への連絡が遅く、発生後の米軍機の運用状況や米軍の対応についても説明がないことを批判。「このような事案がくり返されると県民に大きな不安を与え、米軍に対する不信感が増幅する。誠に遺憾だ」と伝え、米軍に対して再発防止と迅速な情報提供を求めるよう同省に要請した。