安倍氏「時計の針戻すの大変」北方領土返還、描けぬ道筋

「北方領土の日」の2月7日、政府と各種団体が東京都内で恒例の北方領土返還要求全国大会を開いた。「北方領土が77年前、ソ連によって不法占拠されたまま今日に至っていることは、決して許されるものではありません」。採択されたアピールに「不法占拠」の表現が2018年2月以来5年ぶりに復活した。

 18年のアピールにあった「北方四島が不法に占拠され」の部分は、19年に「日露両国間に、平和条約が締結されないまま」との表現に置き換わった。その間にあった日露首脳会談を受け、政府がロシアに配慮したためだ。

 18年11月、シンガポール。安倍晋三首相(当時)はロシアのプーチン大統領と会談し、1956年の日ソ共同宣言を基礎に平和条約交渉を加速させることで合意した。日ソ共同宣言は、平和条約締結後に色丹、歯舞の2島を引き渡すとの内容だ。

 22年2月24日にロシアがウクライナに侵攻したのを受け、岸田文雄首相は「不法占拠」の封印を解いた。3月17日の参院予算委員会で「ロシアによる北方領土の占拠は、法的根拠のない占拠であり、不法占拠されている」と明言。これに先立つ7日の参院予算委では北方領土を「我が国の固有の領土」と表現した。「固有の領土」も安倍氏が使用を控えた言葉だった。

以下ソース
https://mainichi.jp/articles/20230221/k00/00m/010/191000c