なぜ帯状疱疹が増えたのか
昨今、帯状疱疹が増えている背景には、水痘ワクチンが定期接種になったことがあげられます。

普段、水ぼうそうを発症した子どもなどと接する機会があると、そのときに体内の免疫が再度活性化されて(ブースター効果)、高い抗体価を維持できます。

ところが日本では2014年10月から水痘ワクチンが定期接種となり、水ぼうそうにかかる子どもが激減しました。それにより、ブースター効果が得られなくなり、体内の水痘ウイルスに対する免疫が知らないうちに低下し、帯状疱疹を発症しやすくなっていると考えられているのです。

これは日本だけのことではなく、すでにアメリカで同じようなことが起きています。アメリカでは1995年に子どもに対して水痘ワクチンが導入され、その5年後から成人の帯状疱疹が急増しました。そこで、2006年から60歳以上を対象に帯状疱疹ワクチンを導入しています(2011年から対象を50歳に引き下げ)。

日本はこの10~20年ほど後ろを追随している形で、2016年3月以降、過去に水ぼうそうにかかったことのある50歳以上の人を対象に、ワクチン接種が承認されました。

ワクチンの安全性と有効性に関しては国内外で確認されています。

現在のところ、帯状疱疹を予防する医学的な手段はワクチンのみです。

https://toyokeizai.net/articles/-/306649?page=3