謝ることもできなくて

「本当に皆様には申し訳のないことをしました。まだきちんと謝ることもできていません。
いずれは、そうしたいと思いますが、なにをどうすればいいのか……。これからのことなど何も考えられません。
いまは生きていくことでいっぱいです」

消え入りそうな声でそう語るのは、'16年12月22日に発生した新潟県・糸魚川市大規模火災の火元となったラーメン店主である。

前代未聞の惨事となったこの大火災は、最終的に約4万平方メートルにわたって燃え広がり、147棟の建物が焼損、うち120棟が全焼した。
被害総額は推定30億円にも上る。

被害を受けた住民の多くは今も市内のアパートに仮住まいしている。家を買い替えるほどの保険金が出た住民はごくわずか。
大半の住民は将来の目処の立たない中、不安を抱えながら暮らしている。

なおかつ被災者は、いまだに火元となったラーメン店主一家から直接の謝罪を受けていない。
親しく交際していた幼馴染や近所の住民たちも彼らの所在を知らない。
https://gendai.media/articles/-/51600