さらに別の調査では、カスハラをする人の7割が「50代以上の男性」という結果が出たとか。逆に言うと、男性にとって50代以上は「カスハラしがちなお年頃」と言えるでしょう。実際に目にするケースでも、飲食店やコンビニのレジなどで理不尽な怒り方をしているのは、おっさんやおじいさんがほとんどです。
カスハラをしている人は、自分が理不尽なカスハラをしているとは思っていません。正当な理由があって、正当な怒りをぶつけ、相手の間違いを正してあげているつもりでいます。はた目にはどんなにみっともなくても、もしかしたら本人は気持ちがいいのかも。ネットで「悪者」を叩いてドヤ顔している人と似てますね。
中高年男性に置かれましては、迷いなくカスハラができる〈カスハラオヤジ〉になれたら、毎日を楽しく気持ちよく過ごせるかもしれません。立場的に言い返せないことがわかっている相手に文句を言えば存分に万能感に包まれるし、自分の勘違いや落ち度を息を吐くように相手のせいにできたら、どんなときも強気でいられます。
こうすれば〈無敵のカスハラオヤジ〉になれる(実践編)
その1「自分より立場が上の人には何を言われてもニコニコと従う(体の中にストレスやうっぷんやルサンチマンを念入りに溜め込むことができる)」
その2「自分より立場が下の人には露骨にぞんざいな態度を取る(ターゲットを見つけたときに迷いなく強気に攻撃できる“能力”が鍛えられる)」
その3「毎日、寝る前にぬいぐるみなどに向かって『客に向かってその態度は何だ!』『この店はどんな教育をしてるんだ!』『土下座しろ!』と20回ずつ怒鳴る(日頃からこの手の言葉に慣れ親しんでおくことで、ここぞという場面でスラスラ言葉にできる)」
●こうすれば〈無敵のカスハラオヤジ〉になれる(心得編)
その1「店や店員に文句を言うのは、間違っているところを正してあげたいからだ。話が長くなるのは、よくわかるように伝えてあげたいからだ。感謝されこそすれ、こっちが責められる筋合いはない」と思い込む
その2「お客様は神様である。こっちに不快な思いをさせた店員はどんな仕打ちを受けても仕方ない。自分だって仕事では客や上司に理不尽な扱いをされても我慢しているんだから、そっちも我慢して当然だ」と思い込む
その3「自分は周囲や世の中から不当に冷たく扱われている」ということを再認識し、「もっと俺の価値を思い知れ、俺の話を聞け!」と叫びたい気分を盛り上げる。どんな価値があるかはわからなくても、話したいことはとくになくても、そこは関係ない
こうしたトレーニングを重ねれば、たぶんそう遠くない未来に立派な〈カスハラオヤジ〉になれるでしょう。それぞれの項目を呼んで「何を当然のことを言っているんだ」と感じたとしたら、すでに素質は十分です。何なら、もうなっているかもしれません。
無敵の〈カスハラオヤジ〉に魅力を感じて腰を据えて目指してみるか、そんな悲しい生き方は真っ平ごめんだと反面教師にするか、ご自分のニーズとプライドに応じてお選びください
https://news.yahoo.co.jp/articles/38ba5673fd87348a165461b73ca264f0bd20160b?page=2