若い人でも「ヒートショック」になる危険性が 対策のポイントは温度差をなくすこと

電気代が高騰する中、医師からは入浴する際などに、暖房の使用を控えると命に関わる危険性があると、懸念する声が上がっています。

名古屋に本社があるリンナイが、10月にアンケート調査を行ったところ、20代から60代の約7割が「暖房を使う際に光熱費に悩む」という結果になりました。

この状況に専門家からは、ある懸念が…

東京都市大学の人間科学部教授でもある、早坂信哉医師は「今年は特に節電や光熱費が高いということで、暖房をつけないという人も増えている可能性がある。例年よりも”ヒートショック”が起きやすくなるのではないか」と指摘。電気代を抑えるための”暖房控え”が、「ヒートショック」につながる危険性があるといいます。

ヒートショックとは、急激な温度の変化によって血圧が変動し、心臓や脳に大きな病気を引き起こすもので、死亡につながるケースもあります。

早坂医師「どの世代でも気を付けてほしい」

温度差がきっかけとなるヒートショック。危険な場所は…

「風呂場の場合ですと、まずは脱衣場、浴室も寒いので、この2点が寒い場所。実はもう1カ所危ない部分があって、お風呂のお湯の温度です。42度以上になると、逆に熱さで血圧を急上昇させるので、お風呂の温度を40度以下にしてほしい」(早坂医師)

厚生労働省の研究報告によると、ヒートショックなどを含め、入浴中に急死した人数は全国で、年間1万9000人と推定されていて、去年、交通事故で亡くなった人数の約7倍です。

早坂医師は「圧倒的に65歳以上の高齢者が多い。年齢上がってきた方は要注意ではあるが、一方で、わずかながら若い方でもヒートショック起こしてお風呂の中で亡くなる人もいる。どの世代でも気をつけてほしい」と訴えます。

早坂医師によると、ヒートショックにはちょっとした対策が有効だそう。

「対策の1番の大きなポイントは温度差をなくすこと。脱衣場は小さな暖房機を用意して、浴室は例えば、湯船は蓋をした状態でお湯を張る方多いと思うが、冬の間はできれば蓋をしないで張ってほしい。そうすると湯気がたちこめて、少し浴室の中が暖かくなります。入浴前にシャワーを2、3分でいいので、高い位置からかけ流しをしてほしい。湯気が立ち込めるので、少し温度が上がってくると思う」(早坂医師)

おすすめの対策は「スリッパをはいたり、1枚羽織ること」

早坂医師によると「温度差が5度以上あるとヒートショックの危険性がある」ということなので、例えば「廊下やトイレでも温度差があれば起こりうる」ということなんです。

具体的にみていくと…例えば、夜寝ていてお手洗いに行きたくなったとします。お布団の中は30度前後ですが、環境にもよりますが、部屋は暖房を切っていれば10度台。廊下やトイレは8度ほどに。

トイレでは、さらに「いきむと血圧が上昇」する恐れがある。

早坂医師のおすすめの対策としては「スリッパをはいたり、1枚羽織ること」。そうすると体の負荷を抑えられるということです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/83fd96d1e8b0be384b6886e2133673000eb97120