ウクライナ国防省情報総局は27日、ウクライナを侵略するロシア軍の巡航ミサイルが枯渇し、露軍がミサイル攻撃の戦術を見直しているとの分析を明らかにした。

ロシア国防省が公開した巡航ミサイル発射の様子(ロシア国防省のフェイスブックから)
 情報総局の分析によると、露軍が保有する高精度の巡航ミサイルは現在、100発以下にまで減少している。露軍は全てのミサイルを合わせると数千発を保有しているとみられているが、古いミサイルが多く、実戦で使用可能な巡航ミサイルは一部だという。ロシアのミサイル製造能力は月30〜40発以下で、情報総局は「製造量以上にミサイルを使い果たしている」と指摘した。


 侵略開始1年となる24日に合わせ、露軍が大規模なミサイル攻撃を準備しているとの見方もあったが、実施しなかったのは、露軍のミサイルの枯渇が要因だった可能性がある。

 情報総局は露軍はウクライナのエネルギー関連施設を狙った攻撃を断念はしていないとの見方を示しており、今後も巡航ミサイルのほか、爆撃機や無人機などを駆使して攻撃を続けるとみられる。

 一方、ウクライナ空軍の報道官は27日、露軍が26日夜から27日未明にかけて仕掛けた無人機攻撃について、ウクライナの防空システムを疲弊させるために行ったとの見方を明らかにした。ニュースサイト「ウクライナ・プラウダ」が報じた。露軍は26日夜から27日にかけて、少なくとも14機の無人機をキーウなどに飛ばし、11機をウクライナ軍が撃墜した。ウクライナ軍の迎撃ミサイルの発射地点などを把握する目的があったとみられる。

読売新聞 2023/02/28 10:31
https://www.yomiuri.co.jp/world/20230228-OYT1T50107/