ロスジェネ単身女性の老後 半数以上が生活保護レベル 自助手遅れ

抜粋

就職氷河期に世に出た「ロスジェネ」と呼ばれる世代の単身女性たちは、老後に貧困化する可能性が高い。そんな衝撃的な未来予測がある。

――将来、ロスジェネ女性はどのようなリスクを抱えるのですか。

「高齢者が急増する日本社会で近い将来に起きることについて、マイクロ・シミュレーションという手法を使って調べたところ、
氷河期世代を含めた未婚・離別の女性の多くが困難な老後を迎えることが分かりました。約40年後には、未婚だったり、
離別したりした65歳以上の単身女性のおよそ半数、約290万人が生活保護レベル以下の収入になるという結果でした」

https://www.asahicom.jp/imgopt/img/becd457475/comm/AS20211014001001.jpg

――どうして未婚、離別の単身女性が、日本の社会保障制度からこぼれ落ちてしまうのでしょうか。

「今の年金制度は、大多数が結婚して、離婚をせずに生涯連れ添うことを前提に制度が作られているからです。
夫が正規雇用で、自分はパートか専業主婦という場合、妻も第3号被保険者として年金をもらえる。もし夫と死別しても、
遺族年金や預貯金が残ります。しかし、未婚、離別で低所得の場合は、このモデルに当てはまりません」

――ロスジェネ女性は、頑張って正社員になっても手遅れだ、と?

「現在の年金制度では、手遅れとしか言いようがありません。正規雇用になったとしても、老後の貧困リスクは残り続けます。
将来もらう年金額は、過去の20~30年の保険料支払いが反映されるので、その部分がもう取り戻せないからです」
(略)
自力で正社員になれ、と彼女たちに言っても現実には困難でしょう。
結婚すればいい、という考え方もあるかもしれませんが、それは個人のライフスタイルの問題です」

――では、この世代の単身女性たちは、どうすればいいのでしょうか。

「今のままでは、老後に生活保護が必要となる人が激増します。同居する親の年金で暮らしている人も、両親が亡くなると生活に困窮します。
生活保護は最後のセーフティーネットであり、それを最初にあてにしなければならない社会はおかしい。制度としても回らなくなるでしょう」

https://digital.asahi.com/sp/articles/ASPBG3RZJPBFUPQJ00H.html