車暴走5人死傷初公判 97歳被告「車ないと食事にも行けない」
2023年2月28日 23時03分

去年11月、福島市内で97歳の高齢者が運転する車が暴走し、歩行者など5人が死傷した事故の裁判が始まり、被告は運転を続けていた理由について「もう運転はやめるべきだとも思っていたが、車に乗らないと食事などにも行けなかった」などと述べました。

福島市の波汐國芳被告(97)は去年11月、福島市内で軽乗用車を運転中、歩道に乗り上げ、歩行者の42歳の女性をはねて死亡させたほか、信号待ちしていた複数の車に相次いで衝突し4人にけがをさせたとして、過失運転致死傷の罪に問われています。

28日、福島地方裁判所で初公判が開かれ、被告は「間違いありません」と述べ、起訴された内容を認めました。

検察は冒頭陳述で「娘や車庫入れの際にぶつけてできた車の傷を見た担当のケアマネージャーから危険なので運転をやめるよう注意されていたが、通院や買い物、それに飲食のため、毎日のように運転していた」と指摘しました。

このあと被告は、検察官からなぜ運転をやめなかったのか質問され「娘から何度も『やめるべきだ』と言われ、自宅の車庫などに何度も車をぶつけていたので、もう運転はやめるべきだとも思っていたが、車に乗らないと食事などにも行けなかった。近場に行くときしか運転しないようにしていた」と述べました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230228/k10013994381000.html