“アベノマスク裁判”で国が全面敗訴 単価開示で明らかになる安倍政権「負の遺産」(相澤冬樹)

「アベノマスク単価の開示を命令」

 注目の判決結果を裁判所前で知らせる“旗出し”だ。大阪地裁で28日、通称「アベノマスク裁判」の判決が言い渡された。

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 コロナ蔓延初期、全国の世帯に配布された布マスク。安倍首相(当時)の肝いりで“アベノマスク”と呼ばれたが、小さい、遅い、雑だ、と散々な評判だった。

 全国で1億枚以上が配布されたが、国は単価を明らかにしていない。情報公開請求に詳しい神戸学院大学の上脇博之教授が求めても開示しなかったし、国は今に至るまで価格を明らかにしていない。

 なぜ開示しないのか? 価格がわかると納入業者の正当な利益を害する。それに国の今後の業務の妨げになる恐れがある、からだそうだ。ホントにそうか?

 国民の税金を使って購入したアベノマスクの価格がわかったからといって、そんなことがありうるか? というか、そもそも国民に知らせるべき情報ではないか? 政策が妥当かどうか検証できないではないか? そこに疑問を持った上脇教授は、価格の開示を求めて裁判を起こした。

 判決は、金額を開示しない理由はないと指摘。価格を開示しないとした国の決定を取り消し、開示すべきだという判断を示した。原告の要求をほぼ全面的に認めた勝訴判決だ。

 ちなみに判決理由要旨の読み上げで裁判長も「アベノマスク」という"俗称"を使っていたのがクスっと笑えた。そうとしか言いようがないからだろう。

https://news.yahoo.co.jp/articles/91b1e61f994d0fdeb95e537102d759fd405f78d3