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大麻クッキー授受で女性２人逮捕、合法化のタイ取材した元刑事が解説 「食べると影響強い」
「大麻入りクッキー」を授受した大麻取締法違反の疑いで、京都市の仲居業の女性と兵庫県芦屋市の女性占い師が逮捕・送検された事件を受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は１６日、デイリースポーツの取材に対し、「大麻と占いの関連性」を指摘する一方、大麻合法化となったタイを取材した経験を元に大麻クッキーの人体への影響などを証言した。
兵庫県警に逮捕・送検されたのは、京都市の仲居業・池上ひろみ容疑者（４９）と芦屋市の占い師・川村麻理子容疑者（６８）。調べによると、池上容疑者は大麻成分を練り込んだクッキー８個を川村容疑者に譲り渡し、川村容疑者は譲り受けた疑い。池上容疑者は「クッキーを送った記憶はあるが、大麻クッキーだった記憶はない」と容疑を否認し、川村容疑者は「宅配便で譲り受けた」と容疑を認めているという。
「大麻クッキー」が発覚したのは、川村容疑者が昨年１２月に神戸市内で主催した「運気を上げる集会」だった。全国から２０人以上が参加した同集会で配られたクッキーを食べた４０代女性が体調不良を訴え、搬送先の病院で体内から大麻成分が検出されたという。県警は川村容疑者の自宅で大麻草が見つかったことから現行犯逮捕し、同容疑者宅の冷蔵庫から押収したクッキー６８個の鑑定も進めているという。
小川氏は今回の事件について「占いに大麻がどのくらい影響するかは分かりませんが、クッキーを食べたことによる体の異変が“占いの効果”だと錯覚を起こしてしまう可能性があるのかもしれません」と見解を述べた。
世界ではオランダやカナダなど大麻が合法の国では大麻入りの菓子などの加工食品が流通している。日本人にとって人気の観光地であるタイでも昨年６月から大麻の販売が許可され、観光客向けに売られている店もあるという。
今年１月、現地を取材した小川氏は「タイのバンコクで大麻クッキーなどを目の当たりにしています。クッキー１つが３００バーツ（約１２００円）で売っていたが、女性に人気で、女性がそれを買っていくんですが、それを食べると路上で倒れてしまって、そこで嘔吐（おうと）をしたり、極度の酔っ払った状態になるところを実際に目にしました。吸うのではなく、食べることで、直接、大麻成分を体内に入れるので影響が強いということです」と証言した。
タイでは外国人旅行者が多く訪れる場所に大麻販売の車が登場するなどオープンに売られている光景が見られるようになった。小川氏が取材した観光地の売店では、さまざまな種類の乾燥大麻が外から見える透明のパッケージに入って陳列されていた。袋には「クッキーズ＆クリーム」などの商品名がポップな字体で描かれ、軽い感覚で大麻が買える雰囲気だったという。
小川氏は「日本語表記のある店や日本語に対応できる店舗など、日本人を対象にしている店舗も数多く見かけました。タイでは大麻が６月から解禁されていますが、日本の外務省が『海外安全ホームページ』上で『日本では大麻取締法において、大麻の所持・譲受（購入を含む）等については違法とされ、処罰の対象となっています。この規定は日本国内のみならず、海外において行われた場合であっても適用されることがあります』と警告している」と注意を促した。
