JA共済「自爆営業」の圧力なお続く 農水省の監督強化後も「目標達成しないのは別問題」変わらぬ現場 <ニュースあなた発>
農業協同組合(JA)の共済事業を巡り、営業目標を達成するために職員が身銭を切る「自爆営業」の問題を先月報じたところ、同様の訴えが本紙の「ニュースあなた発」に相次ぎ寄せられている。農林水産省が自爆営業への監督強化に動いて以降も、中部地方のあるJAでは「法令は順守してほしいが、目標を達成しないのは別問題」とのメールが職員に送られ、圧力が続く様子がうかがえる。監督強化策に対しても、効果を疑問視する声が目立つ。(押川恵理子)
◆圧力に耐えきれず若手が次々退職
「目標達成や自己責任といった言葉が職場の朝礼やメールで飛び交っている」。自爆営業の経験がある中部地方のJA職員は、報道後も変わらない職場の様子を明かした。このJAでは共済契約の手数料収入が収益の3分の1を占めるという。「管理職は目標を達成しないと役員に怒られ、会議で針のむしろ状態になるから、職員に圧力をかける。耐えきれず、若手職員は次々と退職していく」
共済は民間の生命保険や損害保険に当たり、農家らJA組合員が主な対象だ。共済推進(営業)の目標は毎年度、職位に応じたポイント数で課されてきた。
2月27日には改正された監督指針が施行され、不必要な契約を強要する事例などを不祥事と定めた。該当すればJAは各都道府県に報告し、再発防止策を講じなければならない。ただ不祥事に当たるかどうかの調査はJAに委ねられる。関東地方のJAを昨年退職した男性は自爆営業の経験があるが「『自爆営業をしています』なんて正直に県に報告しないと思う。そもそも職員が上司に申告できるような職場の雰囲気じゃなかった」と話す。関東地方の現役職員も「自爆営業は今後も減らない」と漏らす。
監督強化を受け、職員が共済に加入する際、経済状況などから保障内容が適切かどうかを確認するチェックシートを課すJAも出てきた。だが静岡県内のJA職員は「不必要な契約でも職員が『必要』とすれば、契約内容を問わないのでは」と心配する。
監督への職員の懸念について、農水省の...
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