公海の生物多様性で新協定 保護区設定、基金設置も
2023/3/5 14:19
ニューヨークの国連本部で開かれた政府間会合が4日、どの国の主権も及ばない公海の生物多様性の保全と持続可能な利用を目指す新たな国際協定に合意した。悪影響が懸念される活動を制限する保護区を設定し、環境影響評価も行う。海洋資源が医薬品などの開発につながった場合は利益の一部は新たに設置する基金に拠出させ、保全に取り組む発展途上国を支援することも盛り込んだ。
世界の海の容積の95%に相当する公海は漁業や鉱物資源開発などが行われる一方、希少な生物種や生態系を守る包括的なルールがなかった。今回の協定で、国連生物多様性条約の締約国会議が昨年決めた「2030年までに世界の海の30%以上を保全する」との目標達成に弾みがつきそうだ。合意文書は改めて会合を開き正式に採択する。日本は政府が受け入れの可否を検討し、国会で承認されれば締結する。(共同)
https://www.sankei.com/article/20230305-6EAFSX4CBNK73ELHWJN6NRJFCI/