過積載の強要いまだに 15tの重機も「分解したり組み立てるスペースがない」|物流ニュース|物流ウィークリー|物流・運送・ロジスティクス業界の総合専門紙
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コンプライアンス重視で法令違反を避ける企業が増えており、運送会社に対し、積載量や車検証の確認を行う荷主もいるが、いまだに過積載を強要する企業はあるという。

大阪府堺市で建設現場へ重機を輸送する運送会社では、「数回に一回程度、トレーラで輸送すべき15トンの重機を、現場・道路が狭いことを理由に大型車で運んでいる」という。「過積載にならないよう、重機の解体を荷主の担当者に提案するが、現場が狭く組み立てができないなどの理由で、分解せずそのまま輸送させられている」。

「当社としては過積載を極力したくないので大型車を派遣するが、いくら積載量が取れていると言っても、さすがに15トンを積める車両は少なく、結果、オーバーしてしまう」という。

同社社長は、「その件について荷主と話し合うものの、毎回、『現場や道路が狭い』『重機を分解したり組み立てるスペースがない』『経費を掛けたくない』など、様々な理由で平行線を辿る。簡単に積載オーバーで運行させることに矛盾を感じる」と憤る。

また、同和泉市で重機や建設機械、建材を輸送する運送会社は、「過去も現在も過積載を求める荷主が存在するのは事実。万一、取り締まりを受ければ処分を受けるのは我われ運送会社とそこで働くドライバーなので、当社ではその荷主との契約が無くなってもいいという覚悟でお断りしている」という。

同社社長は、「正直、荷主が減ることで、当然、売上も下がるが、いつまでも理解を得られない荷主と付き合っていても改善してもらえないし、違反させられるだけ」とし、「違反行為であることを理解し、運送会社に協力してもらえる荷主との取引しか行わない」と話していた。

両社の経営者は、「いまだに、『声を掛ければ運送会社は見つかるし、車両も確保できる』と思い込んでいる荷主は多いが、2024年問題でドライバーが不足すると、今後、違法行為を求める荷主には運送会社も車両も集まらなくなるだろう」と口を揃える。