内閣府によれば65歳以上の認知症患者数は2020年で約602万人、2025年には675万人と、5.4人に1人が発症するという。このヴィンテージ・タワマンで半数の世帯が高齢者層だとすると、30~40人は認知症の人がいると予想される。だが、各戸の扉は固く閉じられて、家族が隠しているのが現状だ。
亜矢さんの職場には次のような「高齢者とのコミュニケーション・マニュアル」があるという。
・認知の問題がある方の行動を力ずくで制止したり、頭ごなしに否定しないこと。
・居住者様のアイデンティティを全面肯定して不安を取り除いて差し上げること。
・ご自分の功績や実績を誇大化したり、虚飾していてもそのまま受け止めて褒め称え、誇りや自尊心を損なわないこと。
・高齢であるほど、現役時代に大事な存在であったことを繰り返し伝えること。
・嘆きや愚痴は否定せずに最後まで聞いて、「よく頑張られましたね」と慰労すること。
タワマンの本当の値打ちは見せかけの共用施設の豪華さより、高齢になっても住み続けたいとおもわせる親身なサービスと管理体制の「ソフト面」にあるのかもしれない。
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