男性にとっての「癌治療と髪の毛」の大問題(ダイヤモンド・オンライン)
https://news.yahoo.co.jp/articles/3917dc2cfb440de3964e10a2bbc8c4a7573eabe4

食道癌にかかった筆者は、抗癌剤の投与による大量の脱毛を経験した。そして、病気の治療法や予後のことは当然だが、髪の毛のことも大いに気になった。筆者が調べたり、考えたりした「癌治療と髪の毛」の問題についてお伝えしたい。(経済評論家、楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)

● 癌になって大量に脱毛 「下級の落ち武者」のような髪に

(中略

選択肢としては、(1)坊主頭ないしはスキンヘッドにする、(2)ニット帽(「ビーニー」と称するらしい)をかぶる、(3)ウィッグ(かつら)を使う、(4)そのまま様子を見る、の主に4通りがあった。

● 筆者の選択は 「ニット帽をかぶったおじさん」

筆者は、(2)「ニット帽をかぶったおじさん」でいくことにした。

(1)スキンヘッドないし超短髪は、やり慣れているのでなければ他人に異様な感じを与えるし、頭の形が悪いのでダメだと考えた。(4)の様子見は、いかにも不用意に思えた。

(3)ウィッグの使用に関しては、自分自身が使用者である知人が詳しく教えてくれた。心に染みる親切で、ありがたいことだった。第三者から見た変化は最も少ないので、毎週のように広く一般の目に触れるような仕事をしているなら、この路線を選んだかもしれない。

知人が利用しているウィッグの経済的条件は、ビジネスモデルや値付けの問題として興味深いものだった。彼の利用しているメーカーおよび契約では、人毛を使った高級なウィッグを使う契約料が年間約50万円で、毎月のメンテナンスが一月1万3000円かかるという。

(中略

結局選んだ(3)のニット帽は、室内でも帽子をかぶっている状態に対してマナー上の抵抗感が少々あるのだが、そうした人物は一定割合以上存在するので悪くないと判断した。他人の動向を気にしたひ弱な判断で恥ずかしい限りだが、正直に書いておく。ニット帽でも坊主頭・スキンヘッドでも、見かけが普通の人と異なる点は同じだが、坊主頭では「吟味するような他人の視線」が気になるのではないかと想像した。

(後略