今年の米「アカデミー賞」に招待された香港のアクション俳優ドニー・イェン(59)の親中発言を問題視する人たちが、彼の招待取り消しを求める請願運動に乗り出した。香港フリープレス(HKFP)が6日、報じた。

 ドニー・イェンはハリウッド俳優キアヌ・リーブス主演の映画「ジョン・ウィック:チャプター4」に出演し、来る13日に開催される「アカデミー賞」授賞式にプレゼンターの1人として招待されている。

 媒体によると、「香港から来た人たちのグループ」は去る4日、オスカー委員会にドニー・イェンを招待リストから外すことを求める署名運動を始めた。

 同グループは書簡で「ドニー・イェンは中国共産党体制の支持者で、香港の国家保安法を擁護し、香港デモを暴動と言うなど中国政府の政策を支持するさまざまな発言をした」とし、「ドニー・イェンの発言は表現の自由精神を侵害し、自由と民主主義のために戦う香港人の権利を否定するもの」と主張した。

 これを前にドニー・イェンは最近、男性雑誌GQとのインタビューで、2019年に香港で発生した民主化デモに関して「わたしはデモ当時あそこにいたし、あそこには多くの友人がいた。多くの人がわたしの言葉に満足することはできないかもしれないが、わたしは自身の経験から話している」とし、「あれはデモではなく暴動だった」と言及。また、「わたしは誇らしい中国人」とし、「西側メディアが中国に対する否定的な言葉に集中する時、怒りが込み上げる。BBCやCNNは絶対に中国の高速道路や建築、新たなライフスタイルについて言及しない」と述べた。

 一方、中国・広東(かんとん)省で生まれたドニー・イェンは2歳の時に父親に付いて香港に移住した。その後、10歳で米国ボストンに渡った彼は、成人になって香港で俳優として活動するようになった。映画「イップ・マン」シリーズで大人気を博し、ハリウッド映画「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」、「ムーラン」、「ジョン・ウィック:チャプター4」などにも出演した。

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