富山湾で1日に解禁されたホタルイカ定置網漁で、記録的な不漁が続いている。滑川市の滑川漁港では、解禁7日目の水揚げがわずか7匹にとどまった。1週間の合計は約6キロで、過去15年間で最も少ない2019年の年間131トンを大きく下回るペースで推移。4月から観光船を運航する滑川ほたるいか海上観光を控え、地元関係者から「誘客に影響が出かねない」と懸念する声が上がっている。

  ●富山市、魚津市でも捕れず

 滑川漁港の水揚げ状況は解禁初日の1日から59匹(0・5キロ)と少なく、2日の3キロ、3日の1・8キロ、4日の18匹、5日の15匹、6日の0・6キロ、7日の7匹と厳しい出足になった。7日間の平均は1日1キロに満たず、記録が残る2008年以降、解禁初日の平均263キロを大きく下回る。

漁業関係者によると、滑川市だけでなく、富山市と魚津市でもほとんど捕れず、定置網漁の富山湾全体で不漁になっている。

 富山湾の漁期は6月ごろまでで、3月下旬から4月に最盛期を迎える。滑川春網定置漁業組合は「不漁の原因が分からず、心配している。早く豊漁になってほしい」と期待を込める。

 4月1日に始まる滑川ほたるいか海上観光は28日まで2隻の運航で1日70人、29日~5月7日は1隻で同35人が乗船でき、土日曜と大型連休中は既に満席となっている。

 市観光協会は「予約の取り消しはないが、幻想的な光の感動体験を提供するためには、少しでもホタルイカが増えるよう期待するしかない」としている。

https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/1007619