ノルド・ストリーム、親ウクライナ派が破壊か NYタイムズ報道

https://mainichi.jp/articles/20230308/k00/00m/030/025000c

米ニューヨーク・タイムズ紙は7日、ロシアとドイツを結ぶ海底天然ガスパイプライン「ノルド・ストリーム」と「ノルド・ストリーム2」で昨年9月に起きた爆発事件について、
米当局が親ウクライナグループによる攻撃の可能性を示唆する分析を行っていると報じた。ウクライナ政府は報道を受け、関与を否定した。

同紙の報道によると、グループはロシアのプーチン大統領に反対する立場で、構成メンバーや、作戦を指揮した人物は特定されていない。
米当局は、ゼレンスキー大統領らウクライナ政府幹部が事件に関与した証拠はないとしている。米政府内では、この情報の重要性について、意見が分かれているという。

 両パイプラインは昨年9月に計3カ所でガス漏れが発生し、破壊工作の可能性が指摘されている。

 これまでの欧米側の調査によると、海中で検知された爆発の大きさから、数百キロの爆薬が使われた可能性がある。
また事件直前、同海域を船舶自動識別装置(AIS)を切った複数の不審船が航行していた。

ウクライナ側は事件直後、「ロシアが計画したテロ攻撃だ」と非難。ロシアは同10月、ウクライナ軍を支援する英軍関係者が計画と実行に関与したテロ行為だと主張した。

 今回の報道によると、米当局はロシア政府が関与している可能性は見つかっていないとしており、また米国人や英国人は関与していないとしている。

 両パイプラインは、従来のウクライナ経由でロシアとドイツなど欧州を結ぶパイプラインを迂回(うかい)し、独露両国を直接結ぶルートとして建設された。
背景には2000年代以降のロシアとウクライナの関係悪化があった。

 事件を巡ってはこれまで、ロシアから欧州へのガス供給をウクライナ経由で進めたいウクライナやウクライナ支持者による攻撃の可能性が取りざたされたほか、
ロシアがウクライナの攻撃に見せかけるための「偽旗作戦」を実施した可能性を指摘する見方も出ている。

また、米国では著名な調査報道記者がバイデン米大統領の指示で米軍が作戦を実行したとする記事を発表した。