https://gigazine.net/news/20230308-planet-end-life-earth-solar-system/
小さな惑星が1つ余計にあるだけで「地球が太陽系から追い出されて生命が死に絶えてしまう」とのシミュレーション結果
ケイン氏によると、太陽系は他の星系に比べて地球型惑星とガス惑星のサイズにギャップがありすぎるとのこと。「他の星系には、このギャップを埋めるような質量を持つ惑星がたくさんあります。天文学者は、地球より大きな質量を持つこれらの岩石惑星をスーパーアースと呼んでいます」とケイン氏は話しています。
そして2つ目のギャップは、火星と木星の間のギャップです。以下は、太陽系の惑星を実際の距離の比率に従って配置したもの。火星を含む内惑星系(Inner planets)から外側は惑星と惑星の距離が大きく離れてしまっているのが見て取れます。ケイン氏によると、よく天文学者は「この火星と木星の隙間に何か別の惑星があったらちょうどいいのに」と感じてしまうとのこと。
このような太陽系の特徴的なギャップを埋めたらどうなるのかを確かめるため、ケイン氏はさまざまなサイズの惑星を火星と木星の間に配置し、それが地球などの惑星の軌道にどのような影響を与えるのかを分析しました。
火星と木星の間にスーパーアースがあると、地球が軌道を外れて太陽系から放り出されてしまうことが分かりました。もし地球に太陽光が降り注がなくなると地球は極寒の星になってしまい、地上の生命は死に絶えることになります。また、地球だけでなく水星や金星といった内惑星系の星も太陽系からはじき出されてしまいかねないことや、天王星や海王星の軌道も不安定になることが分かりました。
この研究結果は、太陽系外惑星に生命が存在しうるかどうかを考える上でも重要です。恒星から遠く離れたガス惑星である「木星型惑星」が他の星系で見つかる可能性はせいぜい10%程度ですが、この木星型惑星があるかどうかによって、地球型惑星が安定した環境を得られるかどうかが大きく左右されるからです。このように、地球型惑星の軌道を安定させるのを助ける木星型の惑星は「グッドジュピター」と呼ばれています。