スタッカーティシモ(≒スタッカート)をケンプならではの
歌うような抑揚で弾いたり
その後の左手の8分からの4分音符を
その都度強調(これは指示あり)しつつ弾き分けたり

こういった奏法によって実速度ではなく
聞き手の側のいわばイマジナリーな速度としてのプレストを指示する

しかも熱情ソナタは
全体としてソナタ作品という形式のひとつの達成
作曲者の後に中期の「傑作の森」と呼ばれるその到達点を示している

ケンプはそんなソナタを全体として押さえている
だから終楽章のみ、コーダのみで語るのは
もちろん不足であるのは承知の上で