福岡県筑紫野市の老舗旅館「二日市温泉・大丸別荘」が大浴場の湯を年2回しか入れ替えず、県の調査に虚偽の説明をしていた問題で、県警は10日午前、公衆浴場法違反(虚偽の報告)容疑で同旅館などの捜索を始めた。

 県警の捜査員約20人は午前8時過ぎ、同旅館内に捜索に入った。県は8日、同旅館と山田真前社長を同法違反容疑で県警に刑事告発していた。

 県によると、昨年8月、レジオネラ症を発症した人が利用した施設の中に同旅館があり、県の検査の結果、基準値の2倍超のレジオネラ属菌が検出された。この際、同旅館は県に浴場の管理簿を示し、湯の入れ替えや塩素の注入を適切に行っていたと説明していた。

 しかし、同11月の県の再検査で、基準値の最大約3700倍のレジオネラ属菌が検出され、同旅館は管理簿の内容が虚偽で、県の調査に事実と異なる説明をしていたことを認めた。

 山田前社長は今年2月28日に開いた記者会見で、2019年12月頃、湯の入れ替えは盆と正月の2回でいいと自身が従業員に指示していたと説明。今月2日付で辞任した。

 県の調査に虚偽報告をして、公衆浴場法違反と罰金等臨時措置法が適用された場合、2万円以下の罰金が科される。

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