〔米雇用統計反響〕次回FOMCは0.25%利上げ予想=WFのブラード氏
03/11 06:52 配信
時事通信
 ウェルズ・ファーゴ(WF)のエコノミスト、サム・ブラード氏=2月の米雇用統計は、全般的に見るとまちまちの内容だが、米連邦準備制度理事会(FRB)にとって勇気づけられる材料が含まれた。
 非農業部門の就業者数の増加幅は市場予想を大きく上回り、小売り、専門サービスなどの雇用創出は依然として堅調だった。失業率は3.6%に上昇し、市場ではポジティブに受け止められた。これはインフレ目標2%を達成するためには持続的な水準ではないが、労働力の供給増加を意味するからだ。労働参加率は62.5%と前月(62.4%)から小幅上昇した。新型コロナウイルス禍の水準には及ばないが好ましい兆候だ。
 パウエルFRB議長による議会証言を受けて、にわかに高まった次回連邦公開市場委員会(FOMC)での0.5%利上げ観測は、失業率の上昇、平均時給の伸びの落ち着きなどを示すきょうの雇用統計を受けて後退した。さらに、利上げを背景とした金融環境の悪化を受け、米地方銀行SVBファイナンシャル・サービスが経営危機に陥ったため、新たに金融不安への警戒感が台頭しているためだ。フェドウオッチは雇用統計前に0.5%利上げの可能性を一時45%程度織り込んでいたが低下した。
 われわれは現時点で、次回FOMCでの利上げ幅予想を0.25%に据え置いた。14日に発表される2月の米消費者物価指数(CPI)がインフレ高進を再燃させる内容でなければ、FRBは次回会合で0.25%利上げするとみている。
 ただ、CPIが逆の結果となれば、FRBが再び0.5%利上げに踏み切る可能性もある。われわれもCPIの内容を吟味して、予想を変更する可能性がある。(ニューヨーク時事)〈STAT〉〈FRB1〉

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