ＷＢＣ 侍Ｊ以外のアジア勢全滅 復権へ、アジアシリーズの復活は起爆剤となりうるか
侍ジャパン以外のアジア勢は、ＷＢＣ１次ラウンドでの全滅が決まった。アジア勢復権に、アジアシリーズの復活がひとつの起爆剤となりうるのか。
侍Ｊは「カーネクスト２０２３ ＷＢＣ１次リーグ東京プール」で４連勝を飾り、Ｂ組１位で１６日に行われる準々決勝（東京ドーム）に進出。
Ａ組２位のイタリアを相手に、米国マイアミでの準決勝を目指すことになった。
侍Ｊの快進撃に比べ、今大会に出場していた他のアジア勢の結果はいまひとつだ。世界ランキング２位のチャイニーズタイペイを始め、
日本の宿敵・韓国、そして中国も１次リーグで涙をのんだ。まさにアジア球界では日本の独り勝ちだが、取り巻く現状を考えれば手放しでは喜べない。
かつてスポーツ財団が実施した調査では、日本国内での野球の競技人口は約７３０万人。サッカーの約７５０万人に比べてもほぼ遜色がない。
だが、世界規模で考えれば競技人口は約５億人のバレーボール、約４億５０００万人のバスケットボール、
約２億２０００万人のサッカーに対し、野球はわずか約３５００万人だ。それが野球はパリ五輪で再び、
実施競技から外された理由のひとつで、完全にマイナースポーツ扱いだ。
競技人口を飛躍的に増やすことは簡単ではない。国際大会の数を増やし、五輪やサッカーのＷ杯のナショナリズムをあおるのも一つの手だが、
参加国全体がレベルアップし、競技の醍醐味（だいごみ）をアピールしなくては意味がない。
アジア圏で考えても、日本だけが飛び抜けた実力を持つより、力を付けた周辺国と切磋琢磨（せっさたくま）するのは必要不可欠だろう。
かつてアジアでは世界野球ソフトボール連盟（ＷＢＳＣ）の公認国際大会であるアジアシリーズが実施されていた。
２００５年から日本、韓国、チャイニーズタイペイ、中国や南半球のオーストラリアのプロ野球クラブを中心に競われた、
世界野球ソフトボール連盟（ＷＢＳＣ）公認国際大会である。「この大会をもってその年のアジア地域のプロ野球チームナンバーワンを決する」といわれていたが、
運営面や資金面などの問題があり１４年を最後に実施されてはいない。また、１５年には日本とチャイニーズタイペイ共催でナショナルチームによる
世界選手権大会「ＷＢＳＣプレミア１２」が本来のアジアシリーズ開催時期に新設され、事実上ＷＢＳＣ公認トーナメントとしては有名無実化の状態になっている。
日本球界だけを考えても、日本シリーズ後に開催されるアジアシリーズを実施することは、ポストシーズンの問題などもありハードルは高い。
だが、アジアシリーズの公式サイトによれば、この大会は「アジアNo.１決定戦」だけでなく「野球の国際化の第一歩」と位置づけられている。
将来的にはＭＬＢのワールドシリーズ覇者と真の世界一をかけて戦う試合を開催するための大会ともされており、開催する意味はあるだろう。
今大会は東京プールでの日本戦チケットは完売。地上波の視聴率は４０パーセントをはるかに超えている。だが、それを一過性のブームにしてはいけないと思う。
https://news.yahoo.co.jp/articles/60d15424d3a8ec48490b499ce61ddf20f97742fa
