陰謀論にハマった人には反論より“共生”するしかない?

3月5日放送の「そこまで言って委員会NP」は、話題の書籍を、著者をスタジオに招いて紹介する好評企画「そこまで読んでブックストア」の第3弾。

番組内では4冊の書籍を取り上げたが、中でもタイムリーだったのが物江潤氏(著述家)の『デマ・陰謀論・カルト スマホという宗教(新潮新書)』。

スマホによりあらゆる言論にアクセスできるようになった今、デマや陰謀論、カルト宗教にハマる人が増えている。
スマホ上で起きているデマ・陰謀論の拡散や、それを信じる人たちを含めた現象を“スマホ教”と定義し、その異様な状況を分析した本である。

安倍元首相銃撃事件や、Qアノン(アメリカの極右勢力が流布した陰謀論とそれを信じる政治運動家たち)が中心となって起こしたアメリカ連邦議会襲撃事件、
根拠に乏しい反コロナワクチン運動など、最近起こった社会を騒がす事件を考える上で参考になるテーマが論じられた。

著者である物江氏をスタジオにお招きし、論客たちにこの本の内容に共感できるかできないかを聞くと、論客のほとんどが「共感できる」と回答した。

岡部芳彦氏(ウクライナ研究会 会長・神戸学院大学教授)は「大いに共感できる」とした上で質問する。

「昨年2月24日のウクライナ侵攻以来、私は多くのメディアに出て解説した。すると一部の視聴者から脅迫状や、『さっきの話は間違っている』といった指摘・攻撃がたくさん来た。
最初の頃は反論しようと思ったが、(話がまるで通じず)実際には不可能だった。まさにこの本の内容通り。お聞きしたいのは、そういった“いわれなき個人攻撃”に反応をすべきかどうか。」

物江氏は即答。

「まず、反論はダメですし、いわゆる“論破”は論外。指摘・攻撃してきた人が論破されて自分の意見を変えるかと言ったら、多分逆。
今度は負けないようにさらにデータを集めて、自分なりのロジックを固めて再戦しようとなる。
攻撃相手の考えを変えよう、沈静化させようと思うのなら、反論をするべきではない。」

https://news.mynavi.jp/article/20230310-2614468/