ロイター通信は13日、中国の習近平国家主席が来週にもロシアの首都モスクワを訪問し、プーチン大統領と会談する予定だと報じた。実現すれば、両首脳はともに対立する米国への対処方針や、ウクライナ情勢に関して中国が2月24日に提示した停戦案などを協議するとみられる。

米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ、電子版)は13日、習氏がプーチン氏との会談後にウクライナのゼレンスキー大統領との会談も計画していると伝えた。オンライン形式になる見通しとしている。会談すれば、ロシアのウクライナ侵略開始後初めて。

プーチン氏は昨年12月、習氏とオンライン形式で会談した際、今春にもモスクワに招待したいと伝達していた。今年2月22日に訪露した中国の外交担当トップ、王毅共産党政治局員と会談したときも、「習氏の訪露を心待ちにしている」と述べていた。

ゼレンスキー氏はロシアのウクライナ侵攻後から1年となる2月24日の記者会見で、習氏との会談を計画していると明らかにしていた。WSJは、習氏の動きは停戦に向けて「積極的な役割を演じる」姿勢を示すものだとする関係者の見方を伝えた。

ただ、ロシアとウクライナは双方に早期停戦を求める中国の案に慎重な態度をみせている。

ロシアは中国の関与を歓迎する一方、「軍事作戦は目標達成まで継続する」とし、早期停戦には応じないとの立場。ゼレンスキー氏も停戦案の公表に理解を示しつつも、ロシア軍の完全な撤退を含まない案は受け入れられないと強調している。
https://www.sankei.com/article/20230313-FYQEBJCN2VIMPOS2R7RIZEC6KU/