緊張高まると“スローで見える”千葉大の研究チームが発表
03月14日 08時06分

野球で「ボールが止まって見える」など緊張が高まった際、視覚の処理能力が向上して、物事がスローモーションで見えることを確認できたとする研究成果を千葉大学の研究チームが発表しました。

これは、千葉大学大学院人文科学研究院の一川誠教授らの研究チームが学術誌で発表しました。
研究チームはおよそ20人の被験者に対して、人の顔写真をカラーで1秒間見せたあと、白黒に近い色にし、白黒の方を目で捉えることができたかどうかを調べました。
顔写真は、怒り、恐怖、喜び、無表情の4種類で、白黒の時間の長さを100分の1秒から20分の1秒まで段階的に変えて実験すると、怒り、恐怖、喜びの顔写真を見た時は、無表情の時と比べて、より短い時間でも白黒の写真を目で捉えることができたということです。
一川教授によりますと、人は怒り、恐怖、喜びの表情を見ると、緊張の度合いが高まることが知られていて、今回の実験からは、緊張が高まった際、視覚の処理能力が向上することを確認できたとしています。
一川教授は「野球で『ボールが止まって見える』など緊張が高まった際に物事がスローモーションで見えるのはよく知られているが、実験ではこれまで確かめられていなかった。さらに調べることで、事故の被害を少なくするなど人間の能力を最大限引き出せる可能性がある」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20230314/1080020187.html