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狙われたのは、東日本大震災の犠牲者を追悼する祭壇。
近づいてきた赤い服を着た人物が、堂々とさい銭を盗む様子を防犯カメラが捉えていた。

祭壇を設置した住職は、がっくりと肩を落としている。

乗念寺・山岡一信住職「これは何が起こったんだと。震災の慰霊の祭壇からそのおさい銭を持って行くことは、心の風化が出てきたのかなと思って、とても悲しい思いになりました」

さい銭泥棒が現れたのは、3月11日。
東日本大震災の発生から12年がたち、日本各地で祈りがささげられた日。

赤い服を着た人物は、この追悼の日に、犠牲者のための祭壇からさい銭を盗んだのだ。

現場は、滋賀・大津市の乗念寺。

東日本大震災の翌年から、毎年この日に、被災者を追悼するための祭壇を設置してきた。

祭壇にさい銭箱などは設置しておらず、訪れた人が供えたさい銭が、そのまま置かれていたという。

そこへ現れたのが、赤い服を着た不審な人物。
寺の門の前に近づき、迷うことなくさい銭を手に取ると、すぐにその場を離れた。

すると、通行人が現れた。

赤い服の人物は慌てて小走りになり、周囲を気にしながら去っていった。

追悼の日に、追悼の場で犯行に及んださい銭泥棒に、住職は「できたら、警察が捕まえに行く前に謝りに来てほしい。謝る気持ちで僕の前に姿を現してくれたらいいと思う」と訴える。

寺は、警察に被害届を提出したという。