Xが多くのモニターを集められた背景には、「実質無料」以外のカラクリもあるようだ。原告団の別の患者が明かす。

「モニターへの参加を勧めてきた営業担当者は、『Xで治療を統括するのはI先生というスゴ腕の歯科医。患者には芸能人も多い』などと言いながら、I医師が撮ったタレントの熊田曜子さんや森下悠里さんとのツーショット画像を見せてきました。他の患者にも同じ誘い方をしており、『芸能人御用達なら』とモニターになってしまった人は少なくありません」

本誌が確認したところ、確かに森下はブログにI医師との写真をあげており、熊田もSNSに「#I先生」などとハッシュタグをつけた投稿をしている。また、I医師が関わる別のクリニックのSNSには、森下からX銀座院に届いた祝花や、熊田とのツーショットがアップされている。これらの写真が、Xの宣伝に利用されていたようだ。

本誌が熊田、森下の所属事務所に取材を申し込んだところ、それぞれ次のような回答があった。

「熊田氏が『デンタルオフィスX』もしくはI氏から宣伝を依頼されたことはありません。仮に肖像等が無断使用され患者集めに利用されていたとすれば、パブリシティ権侵害等に基づき法的措置を講ずる所存です」(熊田の代理人弁護士)

「昔から知っているI医師が新しい歯科医院(X銀座院)を開業すると聞き、祝花を出したそうです。宣伝ということではなく、お金ももらっていません」(森下の所属事務所代表)

一方、Xの運営会社は代理人を通じて本誌の取材にこう回答した。

「モニター顧客と締結した責任のある契約については支払い、疑義のある契約については今後慎重に対応を検討していく方針です。タレントについては、I医師によるものと思われますが、内容を全く把握しておりません。(運営会社として)タレント等有名人に(宣伝を)依頼した事実はありません」

https://news.yahoo.co.jp/articles/f5078dd060ea3499bd37f0657d6d90a0ab69645f