天才・藤井聡太の「頭脳」はこう働いている…! 最新の研究でわかった「意外なこと」

「盤面を見た時、まず脳は視覚野を使って情報を把握します。ここまでは一般人も棋士も同じです。
この後、プロ棋士は楔前部という空間的な情報を処理する分野と、尾状核という行動を選択する神経核を使い、瞬時に次の一手を検討します。

これはどちらも直感に基づいた判断をする時に使われる部分で、速い方は0・2秒ほどで答えを導き出していました。
藤井さんの場合は特有の回路が洗練されているため、処理速度が圧倒的に速いと推測されます」

尾状核は、目の前にある3つの飲み物の中で「どれが一番好きか?」と聞かれた時のように、
ほとんど悩む必要のない質問に答える際に使われている。つまり、藤井5冠は私たちが単純な質問に解答するのと同じように、
ほぼ思考することなく最善手を導き出していると考えられる。

藤井5冠には、さらにほかの棋士と違う特徴がある。「脳内で将棋盤を想像することはしない」と発言している点だ。

通常、棋士は頭の中で将棋盤を思い浮かべ、駒を動かし次の一手を検討していく。
しかし、藤井5冠は指し手を検討する際、「2三桂」「4五飛」といった数字と記号の並びである、棋譜だけを用いているという。
https://gendai.media/articles/-/92803