「承服し難いが」苦渋にじませ 検察、急転直下の決断―袴田さん再審

「承服し難い点があるものの、特別抗告の申し立て事由が存するとの判断に至らず」。
東京高検の山元裕史次席検事は20日夜の臨時記者会見で談話を読み上げ、
袴田巌さん(87)の再審開始決定受け入れは苦渋の決断だったことをにじませた。

ある検察幹部は「理屈をこねれば判例違反を主張することも可能だが、最高裁には新たな証拠を追加できない。
その状況下で、証拠関係を基に冷静に判断するのは当然必要だ」と指摘。
「もはや再審でも闘える状況ではないだろう」と語った。

別の幹部は「判例違反があれば文句も言えたのだが」と言い、手詰まりだったことを示唆した。
その上で「再審決定を受け入れながら公判で有罪立証しようものなら、いまさら何を言うのかとなる。
門前払いを食らう」と自嘲気味に語った。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023032001179&g=soc