前田敦子の生涯ベスト映画、最近感銘を受けた作品は?【あの人が見た名作・傑作】

映画を見に行こうと思い立ったとき、動画配信サービスで作品を鑑賞しようとしたとき、何を見れば良いのか分からなかったり、選択肢が多すぎて迷ってしまうことは誰にでもあるはずです。
映画.comで展開する新企画「あの人が見た名作・傑作」は、そんな皆さんの映画選びの一助として、映画業界、ドラマ業界で活躍する著名人がおすすめする名作、傑作をご紹介するものです。第24回は、「そして僕は途方に暮れる」に出演する前田敦子さんです。

●「雨に唄えば」 1950~60年代の作品がとにかく大好き
――前田さんにとって、生涯のベスト映画を教えてください。また、何故こうも前田さんの心を揺さぶり続けるのだと思われますか?
「雨に唄えば」です。
50、60年代の作品がとにかく大好きです。
名作ばかりで20代前半でもう飲み込まれるように映画鑑賞していた時期があったのですが、50年代、60年代あたりを見てる時期が本当に楽しい毎日だったのを覚えています。
そしてミュージカル映画はいつ見てもふわっと心地よく、見終わった後は自然と鼻歌を歌ってしまう楽しい時間になれるのがものすごく好きなんです。
作品を観た年月と本数ともに重ねていくと、自分の中に全く色褪せず残っていく作品は限られていきます。「雨に唄えば」は初めて観てから15年以上経っていますが、全く色褪せずに色々なシーンが浮かんでまた観たい!と何回観ても思えるので、私の人生の中ではこの映画は欠かせなかったのだと言い切れると思います。
ミュージカル映画が大好きになった、素敵な作品をもっと探したい、観たいって映画の世界にのめり込んだきっかけはこの一本です。
この頃の映画はポスターも本当に素敵ですよね。
ジャケ写買いみたいにDVDを買い漁っていました。

●「赤線地帯」 私の永遠のミューズ・若尾文子さんの名前もあったので…
――最近見たなかでは、どのような作品に感銘を受けましたか? その作品を見ようと思ったきっかけは、どのようなものでしたか?

溝口健二監督の「赤線地帯」です。

2022年に溝口監督の「夜の女たち」を長塚圭史さんの舞台で演じさせていただいたのですが、稽古中に圭史さんにこの作品も今回の役にすごくいい参考になると思うよと教えていただいて観たのがきっかけです。
そして、私の永遠のミューズ若尾文子さんの名前もあったので、その日の夜に見ました。
登場してくる女性たちのそれぞれの個性がとても魅力的なんです。
色々背負ってその場所に集まってきていて、全然違う育ちをしていますが、みんなで生き抜くためにどこかライバルだけどどこかお互いを尊敬しあっている。
女性が魅力的に写っている作品が個人的にすごく好きなので、その時代の背景も知ることができて、観てとてもよかったと思う作品でした。
京マチ子さんのお芝居にものすごく釘付けになりました。
キュートで現代の喋り方に近いものを感じる、他の役者と全く違うテンポで映画の中を泳ぎ回っている姿はすごく素敵でした。
若尾文子さんの誰よりも何枚も上手で器用な女性で、男性をふわっと交わす魅力的な役柄も本当に素敵です、そして和装姿もたまらないです。

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