物価高の影響、ペットの猫にも―手放す飼い主増加

 (ロンドン 3月25日 時事)物価高騰が続く英国で、ペットの猫を手放す飼い主が増えている。
猫愛護団体キャッツ・プロテクション(CP)によると、2022年に経済的理由からCPに猫が持ち込まれた事例は前年に比べ44%増加。
特に高齢世帯から引き取る例が90%も増えており、高齢者ほどペットを飼う余裕がなくなっていることが明らかになった。

 英国では消費者物価の前年比伸び率が10%を上回る月が続くなど、記録的なインフレ状態にある。
民間調査によると、キャット・フードもこの1年で約14%値上がりした。
CPによれば、ある施設に引き取られた猫の5匹に1匹は、飼育費が払えないとして持ち込まれたという。

 CPが英国内の猫の飼い主約3000人を対象に行った調査によれば、生活費の上昇を受けて、
必要な予防接種を受けないなど費用を抑えている人が18%に上った。また、25%の飼い主はペット保険を節約しているという。

 一方で、60%の飼い主が「自分がつらいとき、猫が癒やしてくれる」と答え、
愛猫のために外食や衣服、休暇などへの支出を切り詰めている人が半数を超えた。

 CPは猫の里親探しも行っており、「生活費(上昇)の問題は新型コロナウイルスよりも、動物福祉に大きな影響を与えている」と指摘している。

https://www.news-digest.co.uk/news/news/uk-news/24015-2023-03-26.html